新入社員研修制作～買っても届かない通販サイト～Carrieをリリースします。

片桐優妃 | 2014年8月5日 | おしらせ | コメントはまだありません

ご報告。

買っても届かない通販サイト Carrieをリリースします。

突然ですがこの度、シー・コネクト第1期目となる14卒新入社員が企画・制作したサービスである、買っても届かない通販サイトCarrieをここで発表します。

※今回のリリースでは実際にはサービスの運営は行わず、あくまで新入社員の研修制作として作ったページを公開します。

Carrieって何？

Carrie(キャリー)とは、お買い物中毒の女の子たちに、衝動買いによる後悔をなくしてもらうことを目的としてつくられたサービスです。仕様は他の通販サイトと同じですが、ひとつだけ違うのが、「注文した商品が届かない」ことです。

欲しい！かわいい！と思ったものを、Carrieを通じて購入すると、一時的な購買欲求をおさめることができます。商品は実際には届かないので、お金はなくなりません。Carrieを通じて購入したものは、あなた専用のクローゼットの中にたまっていきます。これを見直すと、あなたが欲しかったけど買わなかったものたちがわかります。「私、こんなに貯金(ガマン)したんだ！」→クローゼットの中から本当にほしいと思ったものだけを購入してみてください。Carrieは衝動買いによる後悔をなくし、自分が本当に欲しいものを見極めることができるハッピーなサービスです。

お買い物中毒のあなたに、本当の満足感を。Carrie

はじまりは、シェア研修開発バトル

ことのはじまりは、4月に新卒社員が参加した、Web業界の企業5社合同シェア研修で行われたサービス開発バトル、「Tech Fight Club」

「Tech Fight Club」とは、1つのサービスをチームで作り上げる経験を積むことを目的とし、約10日間でサービスの企画からサービスのプロトタイプ作成を行う、バトル形式のWebサービス開発研修です。最終日には各チームがプレゼンテーションを行い、外部から招いた審査員を交えた審査が行われました。

もとはといえば・・・この開発バトルはエンジニア向けのもの。「開発」バトルですから。そんな中、チームにエンジニアが1人もいないわたしたち4人がなんとか他チームと勝負しに行くため考えた苦肉の策がこのサービス、Carrie。そう、コーディングやシステムではなくあくまで「アイデア」勝負。だって、技術力で勝負したら絶対、勝てないもん。

とは言え、世の中にはいいサービスがもうすでに溢れてる。こんなものがあったらほしい、便利だ！ってものは皆とっくに考えついてるよ・・・。そこにわたしたち4人で新しいものをなんてマジ、そんなカンタンじゃないって・・・。じゃあ、逆の発想はどう？差すと濡れない傘じゃなくて濡れる傘とか、消すと汚くなる消しゴムとか・・・なにそれ、誰が使うの(笑)おもしろいけど。うーん、起きれない目覚ましとか、買えない通販とか？・・・「買えない通販」。それだ！買っても届きません、なので、買ってもお金は減りません、でも、お買い物気分が楽しめます。お！これ、いいんじゃない？

そして実際そこまでコーディングに力をいれなくても見栄えがするサービスにするため、システムのベースに選んだのが「ECキューブ」。まあ、ある意味ちょっと反則かもしれないですが・・・。でも、審査基準にも「目的に対して適切な手法・技術を選択しているか？(ユーザビリティ、拡張性、効率性、開発効率)」、ってあったし、いいじゃん。これでいこう。

というわけで、４月にわたしたちが作ったCarrieがこちら。

4月末に行われたプレゼンテーションの際には、このサイトから一応、商品の擬似購入体験ができるようになっていました。(まあ、ECキューブですしね。)
さて、結果はというと・・・幸運にもシー・コネクトチームは参加した5社9組のうち見事2位を獲得することができました。欲をいえばもちろん優勝したかったですが、そもそも開始当初は他チームに大きく引けをとるようなことは避けたい・・くらいの意識だったのでそれでもかなり健闘できたのではないかと思います。こちらの様子は以前の記事でも詳しく書いてありますので興味のある方はこちらをご覧ください。

さて、ご覧の通り開発バトル用に制作したCarrieはトップの写真や掲載商品が完全に著作権に違反しているので、これをリリースすることはできません。まあでも、研修でつくったわけだから、お蔵入りというか、思い出としてサーバー上に残るだけだから、それでもいいんです。

ところが

それは突然はじまりました。それから半月ほど経った5月のある日のこと。朝いつものように会社へ行くと、社長から新卒宛に1通のメールが。

Carrie、リリースしてみますか？ちょっと思いつきでメールしてみただけだから、後で気がかわるかもしれないけど、やりたかったら声かけてください。

！！！！！？

マジか。

そこから緊急大会議が開かれ、やっぱりこのチャンス、逃す手はない、ってことになり、リリースに向け動き出すことに。社長からだされた条件は、
・使っていい業務時間は1日1時間まで
・新卒4人でやること
・5月末までにとりあえずでもリリースできる状態にすること(あと半月)

・・・・・無理でした。

最初の壁は、営業に行って断られたこと。Carrieのリリースには商品を掲載させてくださるブランド企業さんの協力が不可欠です。が、はじめにわたしたちが考えていたブランド企業さんに対してのメリットが実際には全くささらず、撃沈。マジか。(これについては下に書いておきます。)ほかのメリットを考えなきゃ。それから、実際にリリースするとなるとセキュリティとかちゃんとしないといけないし、サービスを動かしていくとなると今後ずっと運用していかなきゃならないわけで、1日1時間でずっとやり続けるのか、皆、他にも業務があるけど、どうしていこう、ていうかそもそもわたしたちの技術力でどこまでできるのかな・・・・などなど、問題は山積み。

「じゃあ、5月中にっていうのは一旦ナシで、もう少し時間かけていいよ。」
その社長の言葉で、新卒の4人で知識も技術も足りないながらリリースを夢見て、自分たちを疑いつつも信じて、もともと条件にあった期限を過ぎて6月、7月も小さく少しずつ取り組み続けました。

その間何度も挫折と、ミーティングを重ね、そして7月後半、わたしたちの出した答えは・・・・
終わりにしよう。

4月から3ヶ月間少しずつですが思いを込めてずっと温めてきたCarrie。「せっかくここまでやったのに・・・」。よく聞くような話ですよね。いや、3ヶ月もやってきたのに、リリース前に、なんで？そうなんです。でも、これがわたしたちの出した答えです。

マネタイズ

せっかくなのでついでに、わたしたちが考えたマネタイズもここでご紹介します。

企画当初は「潜在顧客のニーズがわかる」データを企業向けに販売しようと考えていました。実際に商品が売れることはありませんが、どんな人がどんな商品を欲しいと思っているのかがわかることでマーケティングに利用してもらえるのではないか、と思ったのです。
→ところが、「お店としては、やはりお客さんにはとにかく商品を買ってもらいたい。データがとれようと、実際に購入することのできないサイトに魅力を感じない」と言われてしまいました。
そこでそのまま、実際に購入する導線をつけることにしました。一度購入したあと、クローゼットの中から実際に購入することができるような仕組みにし、企業の方からは単純に掲載料としてお金をいただくことにしたのです。